AI活用 幅35cmの椅子探し

家に使っていない鏡台があったので、子どもの勉強机として使っています。ただひとつ問題があって、脚を入れる空間の幅が35cmしかないんです。

そこに置く椅子として、膝を乗せるタイプのバランスチェアを買いたいと思っていました。楽天で見つけた宮武製作所の「プロポーションチェア」というものです。ただ、幅が48.5cm。どう考えても入りません。

それで「これの幅が狭いバージョンを探して」とAIに頼んだところ、返ってきたのは「そのカテゴリーの商品は存在しません」という答えでした。

検索しても出てくるのは別物ばかりだった

最初にやったのは、素直な検索です。楽天の横幅フィルタを30〜39.9cmに設定して、バランスチェアで絞り込む。316件出てきました。

ところが中身を見ると、膝を乗せるタイプは1件もありません。全部「座面が揺れるスツール」でした。「バランスチェア」というカテゴリー名に、形の違う2種類が同居していたんですね。カテゴリー名だけで検索しても目的の形にたどり着けない、という典型的な例だったと思います。

本当の障害は、本体の幅ではなかった

行き詰まったので、元の商品のスペックをもう一度きちんと読んでもらいました。すると、本体幅48.5cmという数字のほかに「膝クッション 幅46×奥行25.5cm」と書かれていたんです。

つまり、机の下に入れなければいけない部品そのものが46cm。35cmの空間には絶対に入りません。しかも左右にソリ状のフレームが必要な構造なので、この形式では幅40cm未満は物理的に作れない。だから存在しない、という説明でした。

私はずっと「本体幅48.5cm」と「空間35cm」を見比べていたのですが、本当に見るべき数字はもっと内側にありました。条件に合う商品を探す前に、その条件が成立するのかを確かめる。ここに時間を使ったほうが早かったな、と思っています。

形を変えたら、制約そのものが消えた

存在しないと分かったところで、AIが提案してきたのが発想の切り替えでした。「膝乗せ式」という形で探すのをやめて、「揺れることで姿勢と集中を保つ」という機能で探し直しませんか、と。

代わりの候補として挙がったのは、ルネセイコウの「ツイストスツール ラフレシア3R」(幅33×奥行33cm・座面高49.5〜68.5cmのガス圧昇降・台座のゴムで前後左右に7度傾く・日本製の完成品)でした。ほかにも小さめのスツールがいくつか。海外メーカーのものは、対象身長の下限が明記されていたので除外しました。

そして、ここで気づいたことがあります。スツールには膝クッションがないので、そもそも机の下に入れる部品が存在しないんです。入るのは座る人の脚だけ。「35cmに入る椅子」という制約は、形を変えた瞬間に消えてなくなっていました。

最後に選んだのは、AIが挙げなかった商品

結局買ったのは、同じ宮武製作所の「プロポーションスツール ロータイプ CH-800L」でした。幅41×奥行41×高さ51〜66cm。角の丸い三角形の座面が全方位に8度傾き、360度回転します。重量7.2kg、耐荷重は約80kgです。2026年9月時点で、通販サイトによりますが2万円台前半から購入できました。

カテゴリーはAIの提案どおり「揺れるスツール」になりましたが、商品はAIの推しとは違うものを選んでいます。理由は「見た目が一番部屋に合いそうで、集中力を保ってくれそうだったから」。これは寸法では測れない条件なので、こちらで決めるしかありませんでした。カテゴリーはAIが正して、商品は人間が決めた、という分担だったと思います。

座面の最低高が51cmあって足が床に届かないので、足台もあわせて買いました。

ちなみに、同じメーカーに「プロポーションチェア」(膝乗せ式)と「プロポーションスツール」(三角座面)という、名前がほとんど同じで中身の違う商品があります。最初のやりとりで商品名が食い違ったのも、これが原因でした。商品名で検索するときは、型番まで確認したほうが安全です。

再現用のプロンプト

同じように「この寸法に入るものが見つからない」で困っている方は、こういう聞き方をすると早いと思います。

【状況】
・置きたい場所の制約:(例)机の脚入れ空間が幅35cm・高さ60cm
・買いたい商品:(商品名・型番・URL)
・その商品のどこが入らないのか:まだ分かっていません

【お願い】
1. その商品のスペックを、本体寸法だけでなく部品ごとの寸法まで分解して、
   制約に引っかかっているのは具体的にどの部品の、どの数値か教えてください。
2. その形状・構造上、制約に収まるサイズの製品が
   そもそも製造可能かどうかを判断してください。
   不可能なら「このカテゴリーには存在しない」とはっきり言ってください。
3. 存在しない場合は、私が求めている「機能」を言い換えたうえで、
   別のカテゴリーから代替案を3つ挙げてください。
   その際、制約そのものが消えるパターンがあれば優先して教えてください。
4. 各候補は、寸法・価格・入手先・注意点を並べて比較できる形で出してください。

ポイントは3番だと思っています。「条件に合うものを探して」とだけ頼むと、AIは条件を前提にしたまま探し続けてしまいます。「条件のほうを疑っていいですよ」と最初に伝えておくと、こちらが気づいていなかった抜け道を出してくれることがあります。

まとめ

探しものが見つからないとき、検索の仕方が下手なのではなく、探しているものが存在しないだけ、ということがあります。そういうときにAIに向いているのは商品を探すことより、条件を分解して「その条件は成立しますか」と確かめてもらうことなのかもしれません。今回はそれで、無駄に探し続けずに済みました。