Claudeと毎日のようにやりとりをしていると、同じ説明を何度もしていることに気づきます。私は箇条書きより文章のほうが読みやすいとか、まず結論から言ってほしいとか、そういう好みを毎回書くのが面倒になってきました。
それで、一日の終わりに会話を振り返って要約し、気づいたことを蓄積していく仕組みを作りました。使えば使うほど私のことを分かってくれるようになるはず、と思ったんです。
しばらく動かして、溜まったファイルを開いてみました。結論から言うと、まったく育っていませんでした。
溜まってはいるのに、使われていませんでした
中身を見て、いくつも問題が見つかりました。まず、同じことが何度も書かれています。番号を振ったリストの番号が途中から重複していて、直されないまま増え続けていました。
もっと困ったのは、たった一度きりの気づきと、何度も確認できた確かな好みが、同じ場所に同じ書き方で並んでいたことです。これでは読み返しても、どれが本当に私の好みなのか分かりません。
原因を聞いてみたら、はっきりした答えが返ってきました。仕組みが「書き足す」ことしかしていなかったからです。読み返す、まとめる、格上げする、といった工程がどこにもありませんでした。
人が日記をつけても読み返さなければ何も変わらないのと、たぶん同じことなんですよね。
いちばん効いたのは「どう直されたか」を記録させることでした
作り直してもらったとき、いちばんなるほどと思ったのがこの部分です。
AIが出したものを、私はけっこう直しています。「もっと短くして、その言い方はやめて、この順番を逆にして」。その直した内容そのものが、いちばん濃い情報なんですね。何を出したか、どう直されたか、次はどうすべきか。この3点セットで残すようにしました。
感想を書かせるより、ずっと具体的です。「ユーザーは簡潔な文章を好む」と書かれても何も変わりませんが、「箇条書きで出したら文章に直された」と書いてあれば、次から迷いません。
気づきを「仮説」と「確立」に分けました
一度見ただけのことは仮説として記録し、何度も同じことが起きたら確立に格上げする。逆に、それに反することが起きたら「要見直し」の印をつける。勝手に消さない。
こうすると、たまたま一回そう言っただけのことが、私の確固たる好みとして扱われてしまうのを防げます。実際、あとから見返すと「これは別に好みじゃなかったな」というものがけっこうありました。
そして確立したものだけを、毎回の受け答えに反映される場所に書き写すようにしました。ここがないと、いくら学んでも実際の会話は何も変わりません。覚える場所と、使う場所を分けて、間に格上げの手続きを挟む。これが要点だったと思います。
週に一度、片づける日を作りました
それでも記録は少しずつ散らかっていくので、日曜だけ棚卸しをするようにしました。重複をまとめ、崩れた番号を直し、しばらく確認されていない仮説は別の場所へ片づける。
掃除の日を決めておく、というだけの話なんですけど、これがないとまた同じことになると思います。
同じことをやってみたい方へ
毎日の記録をAIに取らせている方は、この条件を足すだけでだいぶ変わると思います。
毎日の会話を振り返って記録する仕組みを作りたいのですが、
ただ溜めるだけでなく、私の好みや判断の傾向をあなたが学んでいく形にしてください。
次の条件を必ず入れてください。
1. 書く前に、これまでの記録を読むこと。
すでに書いてあることは書かず、差分だけを記録する
2. 「私があなたの出力をどう直したか」を最重要データとして必ず拾うこと
(何を出した → どう直された → 次はどうすべきか、の形で書く)
3. 気づきは「仮説」として記録し、何度も確認できたら「確立」に格上げすること
4. 「確立」したものは、毎回の受け答えに反映される場所に書き写すこと
5. 週に一度、記録全体を読み直して重複を統合し、
古くなったまま確認されていない仮説は別の場所に片づけること
6. 記録することがない日は、空のファイルを作らないこと
特に2番と4番です。この2つがないと、記録は溜まるだけで、こちらの体験は何も変わりません。
やってみて思ったこと
今は、こちらが何も言わなくても、だいたい好みの形で返ってくるようになりました。毎回同じ注文をつける手間がなくなったぶん、本題に早く入れます。
作ってみて分かったのは、AIに何かを覚えさせるときも、人が手帳やノートを続けるときと同じ工夫が要るということでした。書きっぱなしにしない、読み返す日を決める、大事なものは目立つところに移す。結局そこに落ち着いたのが、少しおかしくもありました。
