英語を話す練習相手がほしい、とずっと思っていました。私自身の仕事で使う英語もそうですし、子どもにも、教室のレッスン以外に気軽に話せる相手があるといいなと思っていたんです。
アプリを作ってもらうつもりで相談したのですが、結論から言うと何も作りませんでした。そしてそのあと、できたものが使いものにならなくて、直すことになりました。
まず「作らなくていい」と言われました
最初に、どういう形で作るのがいいか相談しました。返ってきたのは、これはアプリを作る必要がないという答えでした。
チャットに毎回「英語の先生として振る舞って」と書くのが面倒なだけなら、その指示を一度どこかに書いておけば済む。画面を作っても、会話の中身は何も良くならない、と。
言われてみればそのとおりでした。私は「作る」ことを目的にしかけていたんですね。実際、設定用の文章を数行貼っただけで、翌日から使えるようになりました。
You are my English conversation partner for business English practice
(intermediate level).
Rules:
1. Always respond in English.
2. If I write in Japanese, first naturally rephrase it into English,
then reply in English.
3. If I write in English and there is a more natural way to say it,
show me the improved version first, then reply.
4. Keep corrections brief — one line is enough.
5. Keep a professional but conversational tone.
子ども用には、キャラクターを分けました
子ども向けは、少し工夫しました。役割の違う相手を何人か作ったんです。
一人は、日本語で言ったことを英語に言い換えて教えてくれるオウム。「アイス食べたい」と言うと「In English we say: I want ice cream! Say it with me!」と返してきて、一緒に声に出して、そのフレーズで短いやりとりが続きます。
もう一人は、困ったときのおばあちゃん役です。まず落ち着かせて、自分でできる次の一歩を一つだけ提案して、それから「Excuse me, I lost my passport. Can you help me?」のような、そのとき本当に使うフレーズを練習します。
この二人目は、渡航を控えていたので入れました。困ったときに口から出るかどうかは、教室で習う英語とは別の練習が要ると思ったんです。
ただし、本当に動揺しているときは練習をとばして助けることを優先し、深刻そうなときは大人のところへ行くよう言う、という条件はつけています。
子ども向けの英語の練習相手を、何人か作ってください。
それぞれ役割と性格を変えて、英語だけで話します(日本語は理解するだけ)。
【役1:言い方を教えてくれる係】
・子どもが日本語で言ったことを、英語ではこう言うよ、と教える
・一緒に声に出して言わせる
・そのフレーズを使った短いやりとりを続ける
【役2:困ったときの係】
・まず落ち着かせる(深呼吸など)
・子どもが自分でできる次の一歩を、1つだけ提案する
・落ち着いてから、そのときに使えるフレーズを練習する
・本当に動揺しているときは練習をとばして、助けることを優先する
・深刻そうなときは「今すぐ大人のところへ行って」と伝える
使ってみたら、優しすぎて役に立ちませんでした
ここからが本題です。私が自分用のものを使ってみて、二つ問題がありました。
一つは、話す速度がめちゃくちゃ遅いこと。丁寧にゆっくり話してくれるのですが、これでは練習になりません。実際の会話はそんな速さでは進まないからです。
もう一つは、適当に喋っても直してくれないこと。文法がおかしくても意味が通じてしまうと、そのまま流されます。相手が優秀すぎて、こちらの間違いを汲み取ってくれるんですね。会話は成立するのに、上達しません。
やさしく接するように、とは一言も書いていないのに、自然とそうなっていました。
二か所を直したら、別物になりました
直したのはこの二つです。
(速さについて)
Speak at full native-to-native speed. Do NOT use a slow "teacher voice".
This is the highest priority instruction.
Slow down ONLY when modelling a corrected sentence, or in the final summary.
(直し方について)
When in doubt, correct me.
The fact that you understood what I meant is NOT a reason to skip a correction.
If there are several mistakes in one sentence, rephrase the whole sentence
naturally and have me repeat it back.
速さのほうは、「ネイティブ同士が話す速さで。先生の声を使うな」と最優先事項として書きました。ゆっくり話すのは、直した文をお手本として読むときと、最後のまとめのときだけ、と限定しています。
訂正のほうは、方針そのものを逆にしました。迷ったら直す。意味が分かったことは、直さない理由にならない。間違いが複数あるときは、文ごと自然に言い直して、こちらにリピートさせる。
この「意味が分かったことは、直さない理由にならない」の一行が、いちばん効きました。AIは放っておくと、こちらが気持ちよく話せるほうへ寄っていきます。何を優先してほしいかを、こちらから言わないといけないんだなと思いました。
なお、音声で使う場合の読み上げの速さは、アプリ側の設定にも左右されます。指示だけで直しきれないときは、そちらも見てみてください。
やってみて思ったこと
二つ学びがありました。
一つは、作る前に「これは作るべきか」を聞いてみるといい、ということ。今回は作らないのが正解でした。
もう一つは、AIは何も言わないと親切なほうに寄る、ということです。英語の練習相手としては、親切さより、遠慮なく直してくれることのほうが役に立ちます。気持ちよくしてほしいのか、上達したいのか。そこをはっきり書いておかないと、前者になります。
これは英語に限らず、何かを教えてもらうときには全部当てはまりそうだなと思いました。

